§Ⅰ ハムスターならではの強いストレスが発生する仕組み。
巣穴の外のハムスター
採餌活動などでハムスターが巣穴の外に出ている間は、
いつ敵が現れるか?見つかる前に敵を見つけて、身を隠さなければ食べられてしまう、まさに命がけの、高度な警戒心を途切れることなく維持する緊張状態が続きます。これはとても強いストレスになります。
巣穴の中のハムスター
ハムスターはこのストレスを、巣穴の中でリラックスすることで消化し心身ののバランスを保っています。
もし巣穴が無かったら、ストレスが鬱積して病気になってしまうでしょう。
● ハムスターは巣穴から出て活動するときには、必ず、高度な警戒態勢を取ります。

↑ 野外で警戒中のハムスター
夜に、広い野原に放したハムスターの行動を観察すると、高度な警戒態勢をとっているのがその表情から読み取れます。
●食物連鎖の最下層にいるハムスター
ハムスターは哺乳動物として、食物連鎖の最下層にいます。
ハムスターを食べ物として狙っている猛禽類やキツネなどの敵が沢山います。
ハムスターは貴重な食べ物ですから、彼らも必死です。
ハムスターはもっぱら食べられる側です。
●高性能の警戒態勢を備えている
戦う武器を何も持たないハムスターは、敵に見つかれば、襲われて、食べられてしまいます。
先に敵を察知して、隠れるという警戒態勢が高性能であることが解ります。
なぜなら、食べ尽くされて絶滅することなく、子孫を確実に残して、繁栄しているのですから、この警戒態勢が高性能である何よりの証です。
●自然界のハムスターの生活環境は過酷
ハムスターは安全な地下の巣穴を住み家にして生活している夜行性の動物です。
食べ物を集めるために、巣穴から出て、危険な原野を駆け回ります。
食い溜めができないハムスターは、常に食べ続けなければならないために、巣穴の中で餓死しないように、沢山の食べ物を巣に持ち帰らなければなりません。
そのために頬袋があります。
冬眠をしないハムスターは、秋の終わりまでに冬の間の食料を更に大量に集めなければなりません。敵に食べられないよう警戒しながら、餓死しないための採餌活動は、危険で命がけです。
●高度な警戒態勢⇒高い緊張の連続⇒強いストレス

↑ 地上で活動しているときは、一時の油断・気の緩みが死につながる真剣勝負の連続です。
野原に放したハムスターからは、最大級の緊張状態で警戒態勢をとる野生の本能がほとばしるように感じ取れます。
この高性能の警戒態勢は、ハムスターとしての本能と習性ですので、外に出ているときには、必ず働いていて、一瞬の気の緩みで命を失うから、緊張の連続です。
もし、ハムスターの心拍数や血圧を測り知ることが出来たとすれば、寝床で
安眠・熟睡しているときと比べて相当なストレス状態であることが実証できることでしょう。
● ストレスを消化できる自然の仕組み
自然界のハムスターがこの強いストレスで病気になって絶滅しないのは、地下の巣穴の中の安全な家があるからです。
外で受けたストレスを家でリラックスすることで調和し、消化して、心のバランスを保っているからに違いありません。