ハムスターの肥満対策に潜む危険
●【はじめに】【おことわり】このページは地下型の巣箱式の飼い方でハムスターを飼っている方に、食事制限をすることの危険をお知らせしているページです。
従いまして、旧来の飼い方のハムスターには適合しない内容が含まれていますことを予めおことわりいたします。
● 食べ物が少なめな環境では、ハムスターならではのとても強いストレスが発生します。
このストレスは、ハムスターの心身を著しく蝕み、毛艶が悪くなるとか、消化器系の病気の原因になる他に、血が出るほど強く噛むようになるなどの精神面の異常行動の原因になります。
このようなハムスターは飼い主と仲良くなるためのコミュニケーションを取る心の余裕もなくなります。
● これまでの食事制限の手法に、犬や猫の給餌方法との混同があります。
犬や猫は一日に一回の食事でも、大きなストレスになりません。
ハムスターは、少しづつを常に食べ続ける食べ方をする動物ですから、犬や猫の給餌方法を採用することはできません。
一日に1回ないし3回の食べ物を与えるのは、犬猫の給餌方法であって、ハムスターには危険な方法です。
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§Ⅰ.食事制限の必要のない飼い方
● 『地下型の巣箱』式の飼い方は、食事制限をしない飼い方です。● ハムスターの採餌行動の観察と研究から完成した、優れた飼い方です。
それは、
ハムスターに元々備わっている【必要なものを必要なだけ食べる】と言う【本能と習性】を発揮させてあげる飼い方だからです。
● 生長に合わせて食べる量も種類も変わります。● また季節によって、その時に必要なものを必要なだけ食べます。秋に栄養価の高い食べ物を食べるのは良く知られています。
してがって、
● 色々な種類の食べ物を十分な量与えて良いです。
● 『地下型の巣箱』式の環境で育っているハムスターにはストレス食いは起きません。【必要なものを必要なだけ食べる】【本能と習性】が正しく働いているからです。
● 食べた後を良く観察して、減ったものを補給してあげる給餌方法ができます。
§Ⅱ.食事制限に潜む危険
ハムスターは、食べたいときに、必要なものを 必要なだけ食べます。食事制限をすることで、ハムスターに、
● 食べたいときに食べられない。
● 食べたい物を食べられない。
● 食べたい量を食べられない。
● 貯蔵することが出来ない。
と言う4つのストレスを引き起こします。
このストレスはハムスターに心身の変調を起こさせます。毎日鬱積することで極めて深刻な状態になります。参照⇒ハムスターのストレス
ここでは、これまでの相談や質問などから、とても危険なことが含まれていた食事制限の例を列記します。
【事例1】
体重を測ったら60グラムの肥満になった。食べ物の量を減らしたい。
ハムスターを『地下型の巣箱』式の飼い方の通りに飼ってあげると、下表のように体重が変化することが解ります。これは人間が一生のうちに体重が変化するのに似ています。
ハムスターの一生は2年ほどですから、2年間にこれだけの変化があるということをまず知る必要があります。加えて、体重の変化の要因は季節もあります。冬に備えた秋には体重が増える傾向があります。
自由な環境に育ったジャンガリアンハムスターの体重変化の例です
●幼年期の体重 30グラム
●少年期の体重 45グラム
●青年期の体重 60グラム
●壮年期の体重 45グラム
●壮年期後半以降の体重 40グラム以下
この様な変化が観察されます。
【危険行為1】育ち盛りに栄養不足の危険
育ち盛りで60グラムの身体を維持するためのエネルギーの食べ物を必要とするハムスターに、例えば45グラム分の食べ物を与えて、減量をさせる危険行為。【危険行為2】平均体重の盲信の危険
誰が何を根拠に、例えば45グラムが良いなどと決めたのか?同じ兄弟ですら、35グラムもいるし50グラムもいます。♂♀の差だってあります。
【危険行為3】肥満を体重だけで判断する危険
人間にも、45㎏で健康な人も、90㎏で健康な人もいます。ハムスターも同じです。根拠の乏しい数値を頼りに、的外れのダイエットをする危険があります。ハムスターの肥満を外見や体重だけで判断するには無理があります。
【触診で判断】
ハムスターと信頼関係が築ける方なら、手の平に載せて、背骨の手触りや肋骨の手触り、又、四足の筋肉の付き方、お腹の柔らかさ、皮膚を摘まんでみて皮下脂肪の厚さなどから、ハムスターの健康状態を知ることが出来ます。しかし、何匹も経験した人でなければ、肥満を判断することはできません。
【SNS情報の危険】 体重と外見だけで肥満を判断する情報があります。 間違った判断をして、ご自分のハムスターに食事制限をするのは、大きな危険を伴います。
【事例2】
夜になると出て来るので、夕方に一回必要な量、食べきれる量を目安にして与えている。
この例も、非常に多いです。【危険行為4】食事時間を誤解している危険
ハムスターは寝ているときでもお腹が空けば起きて食事をします。ハムスターは少しずつ常に食べている動物であることが、良く観察すれば誰にでもわかります。ペットの犬や猫の様に決まった時間に食べるということが出来ません。
理由は、消化器官の機能が犬や猫や人間と違うからです。動物学者の報告から、ハムスターの胃はネズミと同じでとても小さくて食い貯めができないこと、さらに、一時間程度で食べたものを消化することが解っています。
これは、人間の赤ちゃんに似た消化システムです。赤ちゃんは胃が小さいので3~4時間ごとにミルクを飲みます。
一日一回の危険度を知りましょう。
【事例3】
肥満を心配して貯蔵をさせていない。
この例も、多いです。【危険行為5】【本能と習性】を無視する危険
ハムスターには食べ物を大量に貯蔵するという独特の採餌行動があります。この貯蔵の【本能と習性】はハムスターを飼う方ならどなたも知っている行動です。『地下型の巣箱』式の飼い方のハムスターであれば、かならず貯蔵行動を見せてくれます。
● 貯蔵できなければ、極めて大きなストレスになります。
貯蔵行動の詳細は、貯蔵行動でご覧ください。
§Ⅲ.ハムスターの反応・危険行動
食事制限による重度のストレス状態になったハムスターには、以下のストレス行動が顕著に現れます。
● 脱走行動。
ケースから脱走しようとして、壁面をよじ登るような行動を延々と繰り返す行動です。食べ物の豊かな場所に移動しようとする自然界の動物の行動だと推測します。貯蔵行動が実現すると、この行動が無くなります。
● 金網を齧る行動。⇒同上です。
● 雲梯行動。⇒同上です。
● 血が出るほど噛む。
脱走がかなわず、ストレスが鬱積した状態になると、コミュニケーションを取る心の余裕が無くなります。
● ストレス症の発症
この状態が続くと、毛艶が悪くなる、消化器系の病気になるなどの体調の変化が現れる場合があります。
突然死などもこの延長上だ推測しています。
§Ⅳ.『地下型の巣箱』式の飼い方のハードとソフトは一体です
● 『地下型の巣箱』式のハードだけの採用はかえって危険です。
● 『地下型の巣箱』を使用する場合は、『地下型の巣箱』式の飼い方をしてください。
『地下型の巣箱』式の飼い方は、ハードつまり、ハムスターの家と巣穴を介して【地下の生活環境】と【地上の生活環境】を備えた、飼育セット全体に大きな特長があります。しかし、これは、ハムスターが家作りに専念している間は一切関わらないことや、食べ物を十分に与えることなどのソフトと 融合することで優れた効果を発揮します。
ハードだけ取り入れるとかソフトだけとりいれるのは、ハムスターに大きな負担ストレスを課すことに成りかねません。
このホームページでご案内している、『地下型の巣箱』式のハムスターの飼い方は、このホームページの管理者が長年にわたって実施して確かな効果を確認している飼い方で、ハムスターの飼い方の通りに飼っていただければ、管理者と同じ結果を堪能していただけます。
採用される方は、ソフトとハードの両方を合わせて採用いただきたく、お願い申し上げます。
≪ハムスターの食べる行動に関する報告などを下記にまとめました≫
●食べ物に対するハムスターのふたつの行動≪研究報告≫
●食べ物の与え方
●ハムスターの貯蔵行動
●ハムスターの『巣穴の三大習性』
●肥満になりません
●肥満にならない飼い方このページです。