自然界の地下の巣穴で生活するハムスターは、1.寝室を作る。2.大量の食べ物を貯蔵する。3.トイレ室を作ることが良く知られています。ここでは、ペットのハムスターにもこの三つの行動を起こさせてあげることが出来る飼い方の報告をいたします。

ハムスターの『巣穴の三大習性』のページです

【お願い】
●肥満を心配される方は、肥満にならない飼い方も参考にしてください。とても重要です。

 ハムスターを飼う皆さんに、是非とも知っていただきたいことがあります。
それは、
 『巣穴の三大習性』のこと、そして、『巣穴の三大習性』の行動を実現できる飼育環境が、ハムスターがハムスターらしく生きるために、極めて重要であることの二つです。

 燕が子育てのために作る巣も、ハムスターが巣穴の中に作る家も、それぞれの種がもつDNAに受け継がれているもので、どのツバメも、どのハムスターも例外なく、巣作りの行動を取ります。
ハムスターの『巣穴の三大習性』
 ↑ ハムスターが土の中に作った巣穴=ハムスターの家です。世界哺乳類和名辞典1988年平凡社より

 ここでは、ハムスターの『巣穴の三大習性』を詳しくご案内いたします。



≪目次≫




1.ハムスターの『巣穴の三大習性』の行動

 自然界のハムスターの家は、巣穴の中に複数の部屋があって、 ここで、

1.寝室に自分で暖かい寝床を作って、安眠・熟睡すること。

2.貯蔵室に、食べ物を大量に貯蔵すること。

3.トイレ室を決めてそこだけにオシッコをして他の部屋を清潔に保つこと。

は、皆さんも良くご存じのことです。

この行動は、【本能と習性】によるものです。

そして

【Ⅰ】ペットのハムスターにも自然界と同じくこれらの行動が実現できる環境で飼育されることを渇望していること。

【Ⅱ】この三つの行動をハムスターの『巣穴の三大習性』と名付けたこと。

【Ⅲ】 この『巣穴の三大習性』の行動を実現させてあげたハムスターは、健康にとても活き活きと生活すること。

【Ⅳ】この『巣穴の三大習性』の行動ができたハムスターは、皆さんとコミュニケーションを取るのが上手になって、皆さんと仲良くなること。
です。

貯蔵行動については、こちらで詳しくご案内しています。



2.ハムスターがハムスターらしく生きることができる飼育環境を研究

ペットのハムスターにも『巣穴の三大習性』の行動が実現できる飼育環境の研究を始めて、完成した『地下型の巣箱』を使用した飼い方です。

飼育ケースの底に穴を開けて巣穴の入口を作って、
その下に、
自然界の巣穴の構造に似た、通路と五つの部屋の巣箱を置くと、
見事に『巣穴の三大習性』の行動を見せてくれます。



≪実例でご案内いたします≫

≪穴を開ける≫ 飼育ケースの底に穴を開けて巣穴にします。

ハムスターの『巣穴の三大習性』1
↑ ケースに穴を開けます。この巣穴の下に『地下型の巣箱』があります。


9月7日
『巣穴の三大習性』の行動の初期段階です。

ハムスターの『巣穴の三大習性』1
↑ 迎えて一週間、生後約1ヵ月のハムスターです。
まず、寝室を決めて、自分で寝室に巣材を運び入れて安眠熟睡します。幼さが残った寝姿です。
既に、貯蔵室もトイレ室も決まりかけています。


9月25日
寝床と、貯蔵場所と、トイレ室が一通り決まりました。

ハムスターの『巣穴の三大習性』2
↑ 寝室が巣穴の近くに移動したのは、巣穴の外が安全であることを学習した結果です。


11月4日
部屋の模様替えも済んで、暖かい寝床もできて、冬の準備完了です。

ハムスターの『巣穴の三大習性』3
↑ これがハムスターの『巣穴の三大習性』の行動です。
巣立ったばかりの子共のハムスターでしたが、誰にも教えてもらわないのに、このように、立派に自分の家を作ります。
ハムスターはストレスもなく、心身ともに安定して、信頼関係を築くことが出来ます。



3.この様にして『地下型の巣箱』が完成しました。

身体の寸法に合った狭めの巣穴の入口。
巣穴の先の狭い通路。
通路の先にある5つの異なった寸法の部家。
そして、『巣穴の三大習性』の行動をいつでも観察できる『透明な観察板』。

『地下型の巣箱

 この、『地下型の巣箱』をもらったハムスターは、全てのハムスターが、例外なく、
大喜びで
≪寝室≫と
≪貯蔵室≫と
≪トイレ室≫の3室を作ります。  この三つの行動は、『地下型の巣箱』をもらったハムスターが、どのハムスターもが必ず見せてくれる行動です。
それは、本能と習性からの行動であるからです。



5.『巣穴の三大習性』の行動が実現できたハムスターの効果

効果1、健康になる

『地下型の巣箱』をもらって、≪巣穴の三大習性≫の行動が出来たハムスターは、とても健康に育つことが解りました。
健康に育つのは、ペットとしての飼育環境によるストレスが無くなるからだと推測します。

効果2、仲良くなれる

そして、飼い主にとても仲良くなれることが解りました。

仲良くなれるのは、ストレスが無くなったハムスターの心に、潜在していた好奇心が顕在化して、その好奇心を飼い主に向けるようになるからです。



『巣穴の三大習性』の研究(試行錯誤や数々の比較実験などに基づいて、ハムスターに理想の飼育環境を作るための研究)は、1995年から始まりました。

そして完成した『地下型の巣箱』は、2004年に公的機関に認められました。
そのころに、動物学者の方々から【環境エンリッチメント】の研究成果が発表されるようになりました。
私がこの言葉を知ったのは、旭山動物園の小菅正夫園長(当時)の著書からです。
 『ハムスターの巣穴の三大習性』または『巣穴の三大習性』は、
『地下型の巣箱』が発信している新造語です。

コピー可です。

ご自由にご使用ください。皆様に、ハムスターの習性を正して知っていただくお役にたてれば幸いです。
                                     2005年6月15日
                                    改2018年1月17日