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『砂っ固』の安全確認
 ≪実験結果報告≫

≪研究報告≫
  
  
  
   
             

 『砂っ固』は、(株)マルカンが、ハムスターなどに安全な商品であることを実験して、確認したうえで販売しているトイレ材です。
『地下型の巣箱』はこれを推奨しています。
 ここでは、使用者の立場にたって、『砂っ固』の安全性を確認する為の実験をいたしました。
その結果を報告いたします。

 なお、『砂っ固』の安全性に関する『地下型の巣箱』として、トイレ材『砂っ固』の安全性の見解 を別にまとめましたので併せてご覧ください。

実験目的の1つ

安心して使用する為に、腸閉塞が起きないこと確認する。

 飼育を指導しているサイトや飼育本に『砂っ固』が腸閉塞を起こすという趣旨の表現があります。この表現に不安を感じる方がいます。
『砂っ固』が腸で固まって腸閉塞を起こすのは事実なのだろうか?
 これを確認するためにいろいろな角度から、『砂っ固』を実験してみました。

結論は、
腸閉塞は起こりえないということです。

結論に至った実験結果は、以下の通りです。


『砂っ固』が腸で固まるためには、

条件1.
ハムスターが一定量(推定で少なくとも0.2g)の『砂っ固』を食べなければならない。

条件2.
 食べた『砂っ固』が腸管の中で固まらなければならない。

という二つの条件が揃わなければなりません。



まず、

条件1が起こらないことが分かります。

 少なくとも健康に育っているハムスターは『砂っ固』を食べません。
これは、動物本来の本能で、食べ物とそうでない物の区別が付くからです。

 このことは、(株)マルカンも言っていることですが、『地下型の巣箱』の長年の使用実績からも、食べないことがわかっています。



 更に、

条件2も起こらないことが本試験で分かりました。

 砂っこは水分を含んで溶けかけた後に乾燥しなければ固まりません。
乾燥は、周りの十分な量の『砂っ固』が水分を吸い取ることで起こります。
『砂っ固』を少量口に含んでみると、すぐにとろけるような感じになって、溶けた粘土質と少数の砂粒だけが舌先に残ります。
味は粘土です。※『砂っ固』はベントナイトという天然の粘土です。b/

 したがって、もし、仮に食べたとしても、口の中の極わずかな水分で大部分が解けてしまい、
『砂っ固』の形のまま腸に到達することができないことが分かりました。
そして、腸内は乾燥していませんから、

『砂っ固』が固まってしまうかの実験


@『砂っ固』が固化する条件
A『砂っ固』が固化しない条件
B『砂っ固』の固化の仕組み
Cトイレ材としての『砂っ固』
以上の4点を課題として実験しました。       

      

≪準備≫

実験対象   ●『砂っ固』 (株)マルカンのトイレ材

オシッコの代わりに水を使って実験しました。

1ml用の注射筒  

≪準備≫の解説

ドワーフ系ハムスターのオシッコの量は1回がおよそ0.1ml=0.1gです。
微量の水を正確に測る為に1ml用の注射筒を使用しました。



なお、灰色の『砂っ固』が写真では実際の色よりかなり赤土色になっています。撮影技術の未熟に付きご了承ください




『砂っ固』の固まり

『砂っ固』の固まりの解説

実験材料として実際に近い『砂っ固』の固まりを採取しました。
水分を吸収して固まった状態です。

1個の固まりの平均データ。
重さ0.75g 内訳: 『砂っ固』0.55g・ 水0.2g
吸収した水分の量: 約36%(水/『砂っ固』)
大きさの目安として、1センチメモリのシート上に置きます。



5個の固まり

5個の固まりの解説

水分の含有量の違いで『砂っ固』がどの様な状態になるかを確認する為に、 5個のサンプルにそれぞれ異なった量の水を加えます。
Tには0.1g、
Uには0.2g、
Vには0.3g、
Wには0.4g、
Xには0.5gの水をそれぞれに正確に滴下します。



●この滴下実験の目的は、過飽和状態の『砂っ固』の状態観察です。

通常のトイレでは、

『砂っ固』 ≧ 水分 

ですので水の量に比例した大きさの固まりができます。

●この実験は、食べたと仮定した『砂っ固』に対して、
水分つまり唾液や消化液の量が変化する胃の中、腸の中で
どの様になるかを知るための物です。

『砂っ固』 < 水分

の状態です。



水を0.2g吸収して過飽和直前100%の状態になっている固まりに、水0.1gを加えて150%の過飽和状態にするのがTです。
Uは0.2gを加えて、200%の過飽和状態。
Vは0.3gを加えて、250%の過飽和状態。
Wは0.4gを加えて、300%の過飽和状態。
Xは0.5gを加えて、350%の過飽和状態にして、それぞれの変化を観察します。


3分後

≪滴下3分後≫の解説

Tは外形状に変化がありませんが、砂粒一つ一つに水分が染み渡っているのが確認できます。
Uは一粒毎の砂粒が膨れているのが確認できます。
Vは固まりが崩れて、吸収しきれない水分が染み出ています。
Wは更に崩れています。
Xは消臭剤(ブルー)抗菌剤(ピンク)も溶け出し崩れています。





5分後

≪5分後≫の解説 Tは外形状に変化がありませんが、砂粒一つ一つに水分が染み渡っているのが確認できます。
Uは砂粒が膨れているのが確認できます。
Vは固まりが崩れて、吸収しきれない水分が染み出ています。
Wは更に崩れています。
Xは消臭剤(ブルー)抗菌剤(ピンク)も溶け出し崩れています。





溶け崩れる

≪溶け崩れる≫の解説

それぞれの固まりを軽く押しつぶしてみました。
Tは砂粒が原型を留めていますが固まりきれずに柔らかく崩れます。
Uは砂粒が膨れて、砂粒同士が溶けてくっついてふわふわ状態です。
Vは固まることができず液状です。
W・Xは更に液状です。
Xは消臭剤(ブルー)抗菌剤(ピンク)も溶け出し崩れています。





結論

●仮に0.1gの『砂っ固』を食べたとしても、唾液や消化液が約0.04グラム以上ある消化管内の環境では固まらない。

●そもそも『砂っ固』を食べない。



≪固まるという概念≫

 固まるというと、セメントのように固まる(化学変化)印象があります。化学変化ですから、固まってしまったらもとには戻りません。
 子供たちが砂場で作る砂団子も固まります。これは水の張力によります。
実験でご理解いただけるように『砂っ固』の固まりは、子供たちが作る砂団子の固まりと同じです。雨が降れば元の砂に戻るし、乾けば崩れて元の砂に戻ります。

化学変化は起きません。『砂っ固』の主な成分が自然界の粘土だからです。(天然の粘土でベントナイトと言います)



≪心配される方に≫

 『砂っ固』がセメントの色に似ているので、また商品名からの連想で、【固まる】を【セメントのように固まる】と思い込んでいる方もいらっしゃるのではないかと思います。
また、飼育のサイトや飼育本で『砂っ固』が危険だ!!と表現している方は、従来の飼育方法を経験している方であって、その経験から、そのように述べていると解釈することもできます。
   一方、  
 『地下型の巣箱』の飼い方の基本方針は、飼育環境のストレスを掛けない飼い方です。

 飼育環境のストレスが無いハムスターは、身体だけでなく心も健康に育ちます。
精神的にも健康なハムスターは、『砂っ固』を食べ物と間違えて食べるようなことは決してありません。

 そしてもし食べ物に付着した粒を飲み込んだとしても、それは、自然界で砂がついた食べ物と同じように、微量ですから、水分のある腸の中で固まるようなことが無いのは実験で明らかです。

『地下型の巣箱』の飼育方法では、これまでの20年余りの間に一度も事故が起きておりませんし、報告もありません。事故の兆しは全くありません。

『地下型の巣箱』方式で『砂っ固』を推奨しているのは、このような理由と実験結果によるものです。

 なお、『砂っ固』の安全性については、トイレ材『砂っ固』の安全性の見解も併せてご覧ください。

 
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