ハムスターに貯蔵させることは必要ですか? ハムスターQ&A
§1.貯蔵はとても大切です。
ハムスターにとって、食べ物を貯蔵するということは、
とても重要であって、貯蔵ができないハムスターには大きなストレスが発生する可能性があります。
ハムスターは食べ物の貯蔵量が多いと安心するという【本能と習性】を持った動物であることを知ってあげましょう。
ですから、食べ物が少なくなると、そのストレスは一般に思われている以上に大きなものになります。
これが、イヌやネコのように決まった時間に決まった量の食べ物を上げることで満足するのと大きな違いです。
このことを飼い主の皆様にご理解いただくために、『地下型の巣箱』方式では、これを人の貯金通帳の残高を例にとってご案内しております。
貯蔵した食べ物に対するハムスターの心理と、貯金通帳の残高に対する人の心理がとても似ていると感じているからです。
ハムスターがせっせと食べ物を貯蔵するのは人の貯金に似ています。
到底食べきれないほどに貯蔵して安心しているハムスターは、貯金残高が十分な人の心理に似ているのではないでしょうか?
ただし、定期的に給料が振り込まれる人の場合は、残高が少なくてもは安心していられますが、
ハムスターは給料を理解することはできないので、あくまでも、自分の目の前にある食べ物の貯蔵量が安心の基準になります。
したがって、貯蔵している食べ物の量を十分とは感じなければ、貯金残高が乏しくなって、、給料の振り込みも見込めなくなった人の心理に似たストレスが発生する可能性が大いにあります。
人も他の動物も、食べ物の重要性は同じですが、食べ物を集めることで安心することができるハムスターにとって、食べ物が目の前に無ければ、そのストレスは、飼い主が思っている以上に重度である可能性があります。
食べ物を集めるために、とても大きな【頬袋】をハムスターが持っている理由が、ここにあります。
食べ物を集めて安心するのは、ハムスター独特の【本能と習性】です。
§2.ハムスターが安心する貯蔵量
ハムスターが貯蔵するのは、食べ物が乏しくなる冬季を、冬眠せずに過ごして春を迎えるまで食べ続けることができる量ですから、およそ5か月分程度であることが推測できます。一日に食べる量を仮に5グラムとすれば、5グラム×30日×5ヶ月=750グラムになります。
ハムスターに自由に貯蔵させると1㎏を越える量を貯蔵するのは、うなずける量であることが分かります。
ちなみに♀ハムスターの方が貯蔵量が圧倒的に多いことが分かっています。きっと子育ての時の備えがDNAに記録されているのだと推測しています。
♀のハムスターの貯蔵行動です。
§3.貯蔵の効果は絶大です。
貯蔵ができたハムスターは食べ物に関するストレスが無くなり、とても落ち着きます。皆さんからのコミュニケーションの働きかけに積極的に答えるようになります。
ペットのハムスターのストレス源は、主に3つあります。詳しくはハムスターのストレスで解説していますが、一つは、飼育環境ハード面がストレス源になる場合です。巣穴がない、寝る場所がないなどのストレスです。もう一つは飼育環境のソフト面がストレス源になる場合です。接し方などから飼い主に脅威を感じたなどのストレスです。そして、もう一つが、食べ物が足りないというストレスです。
この代表的な三つのストレス源のうち食べ物に起因するストレスが無くなるだけでも、ハムスターははとても落ち着いた生活をするようになります。
§4.貯蔵ができないと引越しを考えます。引っ越せなければストレスになります。
ハムスターには、自分が住んでいる環境に食べ物が不足していると判断すれば、引越しを考えます。食べ物が足りなければ生きることができないのですからハムスターに限らず、生物は(人も含めて)食べ物が豊かな場所に移動します。ハムスターも貯蔵する食べ物が無ければ、食べ物が不足していると考え、そこから移動(脱出)しようとします。しかし、脱出できなければ、大きなストレス源になってしまいます。
貯蔵できる環境かそうでないかはハムスターにとってとても重要なことです。
§5.関連する情報。
ハムスターの食べる行動と、貯蔵する行動については、
●ハムスターの食べ物と、貯蔵行動をご覧ください。
●Q&Aの食べ物の与え方と量についても、参考にしていただけます。
【お願い】
このページでQ&Aご相談の対象になるハムスターは『地下型の巣箱』で生活しているハムスターです。
旧来の飼い方では参考にならない場合があります。