このコーナーは、
ハムスターのオシッコの行動を解明した、『地下型の巣箱』入澤二郎の研究報告です。
ハムスターのオシッコの【本能と習性】を解明したことによって、『地下型の巣箱』が完成しました。
そして、ハムスターが活き活きと健康に生活することができる理想の飼育環境と、飼い方が完成しました。
この研究から得た主要な結論は、
@ ハムスターは、巣穴の中に『トイレ室』を決めて、そこだけにオシッコをして、ほかの場所にはしないこと。
A そして、巣穴全体の清潔を保つこと。
B この行動は、ハムスターの【本能と習性】による行動であること。
C したがってこのオシッコの行動は、どのハムスターにも備わっていること。
の4つです。
本題に入る前に、ハムスターのトイレがオシッコだけに関するものであるという認識を皆様と共有させていただく必要があります。
ハムスターにとって糞=ウンコは、非常食だからです。
ウンコは、貯蔵しておくものであり、捨てるものではないからです。
従いまして、ここで取り上げているハムスターのトイレはオシッコのことであることをご理解いただきたくお願い申し上げます。
【ハムスターのトイレとオシッコの行動について】
【 体内に秘める野生の本能 】
ハムスターには、巣穴つまり自分の家を清潔に保つ優れた本能と習性が備わっていることが分かりました。
それは、地下の巣穴(自分の家)の部屋中をオシッコで汚してしまったら、
自分が住めなくなてしまいますから、清潔にするのは自然界ではあたりまえのことです。
皆さんのハムスターも、
この『自分の家を清潔に保つための本能と習性』をちゃんと持っています。
【実例】
誰からも教えてもらわないのに、ハムスターはごく当たり前に下の写真のように家作りの行動をします。

↑ハムスターの家作り行動とトイレ室。 ≪2014年11月4日現在≫
左下がトイレ室です。
『砂っ固』の上のオシッコの跡が確認できます。 オシッコで固まった『砂っ固』を定期的に取り除いて新しい『砂っ固』を補給します。
トイレ室以外の部屋にオシッコをすることはありませんので、『地下型の巣箱』内は清潔が保たれています。
写真のたくさんの貯蔵物は、冬に備えたもので、秋にこのような行動が顕著にみられます。 主寝室は左上です。
『地下型の巣箱』をもらって2ヶ月半を健康に生活しているハムスターです。
落ち着いて来ると、このように『地下型の巣箱』を上手に使います。
■ ≪自分の巣穴を清潔に保つ優れた本能≫
≪貴重で重要な情報です≫
産まれたばかりでやっと這えるようになった子ハムが、育児室から出て最初にする行動、それが、トイレ室まで這って行って、オシッコをすることです。
帰りに疲れて通路で寝込んでしまうと、母ハムが迎えに行ってちゃんと育児室に連れ戻します。
このようにハムスターには、自分の部屋をオシッコで汚さないばかりか、トイレ室でオシッコをするというすばらしい本能と習性が、
産まれたばかりの赤ちゃんにしっかりと備わっていることが観察できます。
この母子の感動的なシーンは『地下型の巣箱』の透明な観察板越しに、皆さんの目で観察し確かめることが出来ます。
もちろん、大人になったハムスターは、上の写真のように、トイレ室だけにオシッコをします。
自分の家を自分のオシッコで汚して、住めなくしてしまうようなことは、絶対にありません。
■ ≪ハムスターのオシッコの本能と習性≫
まず、ハムスターのオシッコは2種類あることを知っておきましょう。
それは、
@「トイレでするオシッコ=排泄」と
A「縄張りマーキング用」の二つです。
ハムスターはこれをしっかりと使い分けます。
@ 「トイレでするオシッコ=排泄」について。
まず、排泄としてのオシッコについてご案内します。
する場所は、自分の家つまり巣穴の中のトイレ室です。
巣穴の中でオシッコをする理由は、ハムスター特有の強い警戒心が深く関係します。
オシッコの最中は無防備になります。なんだか人間と似ています。
ハムスターは敵に襲われる心配のない、安全なところでオシッコをしたがる習性があります。

↑『地下型の巣箱』をもらって最初に作るトイレ室。≪2014年9月5日現在≫
『地下型の巣箱』をもらったばかりのハムスターは、この写真のように、安全度が高いと考えた、巣穴から一番遠い場所をトイレ室に選びました。
『地下型の巣箱』をもらって初めて決めるトイレ室は、奥の大部屋か、中央の2室の何れかになる確率がきわめて高いです。
この後のハムスターのオシッコの【本能と習性】の行動を、写真でご案内いたします。何れも、同じ『地下型の巣箱』と同じハムスターです。

↑≪2014年9月25日現在≫『地下型の巣箱』をもらって25日。すっかり落ち着いて、『地下型の巣箱』を自分の家にしました。

↑トイレ室の『砂っ固』にだけしているオシッコをご確認いただけます。

↑≪2014年11月4日現在≫ 冬に備えて貯蔵行動が活発です。
模様替えをしました。
トイレ室と寝室が巣穴のそばの部屋に移転しました。 『地下型の巣箱』の清潔を保っています。
巣穴の外が安全であることを学習して納得するまでは、あるいは、、巣穴の外に脅威を感じ続けている場合には、敵が巣穴から入ってくるかもしれないと考えますので、ハムスターは巣穴から遠い部屋の方が安全だと考え、そこをトイレ室にします。
9月5日の写真はその状態です。
2か月ほど生活して、【地上の環境】つまり巣穴の外に脅威が無いことを学習し納得すると、巣穴のそばの部屋でも安心できることを学習し、納得するようになります。
11月4日の写真のように、巣穴のすぐ下の部屋も含めて5室を上手に使い分けるようになります。
この行動から、
●初めは、奥の部屋がより安全だと考えたために、奥の大部屋をトイレ室にしました。
●2か月後には、巣穴の中のどの部屋でも安全に暮らせることを学習して、寝室もトイレ室も、巣穴のすぐそばの部屋に移しました。
●大切な食べ物だけは一番奥から貯蔵しています。
ということがわかります。
このことから
ハムスターがトイレ室に選ぶ部屋は安全性の高い部屋であり、トイレ室にだけオシッコをして、他の部屋にはしない。そして家全体の清潔を保つ。
という【本能と習性】があることがわかります。
A 「縄張りマーキング用」のオシッコについて。
ハムスターは群れで生活する動物ではなく、一匹だけで生活します。 そのために、縄張りを強く主張する【本能と習性】を持っています。
縄張り本能が刺激されると、必要と思ったところにはせっせとオシッコをかけます。
これがマーキングのオシッコで、排泄のオシッコとは明確に使い分けています。
マーキングは、雌も雄も大人になったハムスターに見られる行動です。
この行動は犬のマーキングにとても良く似ていることが観察していると分かります。
犬のマーキングと違うのは、自分の縄張りが侵されたと思えば、侵された場所にすることです。
飼い主が『地下型の巣箱』の中をいじったとき、侵入されたと感じれば、トイレ室以外の場所にマーキングをします。
放し飼いをした場合に、飼育ケースの外にも食べ物の貯蔵場所を作ります。そこにもマーキングをします。
このことから
ハムスターには、縄張りを主張する手段にオシッコでマーキングをする【本能と習性】があることがわかります。
オシッコの跡を観察すればコミュニケーションがとれます
ハムスターのオシッコの仕方・跡を観察すれば、ハムスターの心理を簡単に読み取ることができます。
●『地下型の巣箱』の中にトイレ室を作って、そこだけにオシッコをするようになった行動からは、、、、、頂いた『地下型の巣箱』を100パーセント自分の家として認識しました。ありがとうございます。と言っていることがわかります。
●『地下型の巣箱』のトイレ室以外にオシッコをして居たらそれはマーキングです。僕の家の中に勝手に入らないでください。と言っているのだということを分かってあげてください。
●ハムスターが『地下型の巣箱』の中のアッチコッチにオシッコをしてしまいますというご質問をいただくことがありますが、それは、「僕の家の中に入らないで!!」というハムスターの叫びです。
■ 『地下型の巣箱』の≪トイレ対策≫
『地下型の巣箱』が自然の巣穴と違うのがトイレ室です。自然界の巣穴のトイレ室はオシッコを地面にしみこませて処理します。『地下型の巣箱』の場合は、『砂っ固』が地面の役割を担います。
従いまして、 トイレ室には『砂っ固』があって、そこにオシッコをするという仕組みで『地下型の巣箱』のトイレ対策が成り立ちます。
トイレ対策のポイント
『地下型の巣箱』を与えるときには、そのトイレ対策として、以下のように、

↑『砂っ固』の入れ方
奥の大部屋と中央の2部屋に『砂っ固』を小山状に入れてあげれば良いことになります。
『地下型の巣箱』をもらったハムスターは、初期には、この3室のいずれかをトイレ室にします。
詳しくはハムスターのトイレ対策をご覧ください。
また、『砂っ固』の無い部屋をトイレ室にした場合の対策もご覧いただけます。
このハムスターのオシッコの【本能と習性】の研究の報告は、2007年に公表いたしました。
しかし、その後2014年11月に至る現在、ハムスターのオシッコについて、この発表以上に詳しく解説しているハムスターの飼育書は当サイト以外には今だに見当たりません。
ハムスター達の名誉の為にも、そして何よりもハムスターが喜ぶ飼育環境でハムスターを正しく飼育していただくためにも、 ハムスターを可愛がる皆さんには、
『ハムスターのオシッコの本能と習性』による行動について、
ハムスター自分自身がとても清潔な生活をする動物であるという事実を、是非知っていただきたいと切望しております。
このページの内容は、自由にコピーしていただいてけっこうです。
ハムスターを正しく飼育してあげるためにも皆さんの力で広めていただければ幸いです。
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