ハムスターの回し車を比較しました
※この比較テストは2008年に行っております。
理想の回し車の結論は、
@輪の径が大きいほど、走りやすい。
A輪の外周が軽いほど空回り(※)が少なく安全。
Bそして、静かであること。と言うことが解りました。
※空回り⇒輪の中を走っているハムスターが止まった時に、ハムスターを載せたまま輪が回ってしまう現象。
最下段に比較テストの結果表を作りました。
結論の解説
ハムスターは、【急発進】と【高速走行】と【急停止】という独特の走り方をします。
回し車の中でも急停止をします。
しかし、輪の方はしばらく空回りを続けますので、遠心力で輪の中につかまってしまったハムスターも一緒に回ってしまいます。
これは、輪の外周が重いほど、勢い(慣性モーメント)が強いので、いつまでもまわり続けます。
回っている間に、ハムスターは自分が回っている自覚がないので、輪から降りようとします。
飛ばされます。
これが危険な場合があります。 今回の比較はこの空回りも重視しました。 オイルの粘りをブレーキにした静かだ輪が、空回りが少ない機種でした。
対象商品の選定基準
@ハムスターが安全に高速走行ができること。
A静かに回る機能がついていること。
B皆さんが比較的容易に購入できること。(ペットショップ・ホームセンター・インターネットショップなどで販売していること)の
以上の3条件を満たす5機種を選定しました。
【選定候補5機種】
後列 左から 1.サイレントホイールゴールデン、 2.くるくるフラワーM、 3.静かだ輪、
前列 左から 4.サイレントホイールドワーフ 5.くるくるフラワーS
選定候補5機種の特徴
(ネーミングのアイウエオ順)
1.くるくるフラワーM 潟}ルカン
回転軸にベアリングを使用して、かつ、
回り過ぎ対策のブレーキ機能を備えているドアーフ用のMサイズ
2.くるくるフラワーS 潟}ルカン
回転軸にベアリングを使用して、かつ、
回り過ぎ対策のブレーキ機能を備えている小型ドワーフ用Sサイズ
3.サイレントホイールドワーフ 且O晃商会
回転軸にベアリングを使用した小型ドワーフ用
4.サイレントホイールゴールデン 且O晃商会
回転軸にベアリングを使用した大型の回し車、
ゴールデンハムスター用の本格派
5.静かだ輪 潟Xドー
古典的な形状の回し車、回転軸に油を使って静音対策をしている。
比較した項目
◎ジャンガリアンを基準にした輪の大きさ
◎安全性(空回りの回りすぎ⇒慣性モーメントの問題・隙間の問題)
◎走りやすさ
◎取扱い易さ
≪くるくるフラワー≫
くるくるフラワーシリーズには、輪の内径が約12.5pのS(MR-338)と、
Sよりも輪の内径が1.5p大きい約14.0pの内径のM(MR-337)が用意されています。
どちらも対象をドワーフ系用と説明書にあります。
ジャンガリアンのような大き目のハムスター用にはM、ということでしょう。
スタンドなどは共通にして、ハムスターの大きさでSかMを選択できるラインナップはとても親切です。
≪サイレントホイール≫
サイレントホイールシリーズは、輪の内径が約11.5pのドワーフ用と、
これよりも輪の径が5.0pも大きい約16.5pの内径のゴールデン用の2機種です。
サイレントホイール ドワーフは、輪の最大内径が11.5pと、5機種の中で輪が最も小さいです。
大きいジャンガリアンには小さすぎの感があります。そのために、あえてサイレントホイール ゴールデンも視野に入れた次第です。
≪静かだ輪≫
静かだ輪は、内径が約14.3cmと大きく、古典的な形をした回し車です。
回転軸に油を塗って回転音を効果的に抑えていて、選定基準に当てはまるので選定しました。
(下の説明中のpは輪の内径の最大値、グラムは輪の重さ)写真はクリックすると大きくなります。
くるくるフラワーM MR-337 約80g 約14.0cm ボールベアリングを使用した回転軸受けと、回り過ぎ対策のブレーキシステムを採用している。
くるくるフラワーS MR-338 約55g 約12.5cm ボールベアリングを使用した回転軸受けと、回り過ぎ対策のブレーキシステムを採用している。
今回は、小さいことで対象外としました。
サイレントホイール ゴールデン 約135g 約16.5cm さすがに、他に比べて桁違いの大きさ。
今回は、ジャンガリアンを対称にしたので、顔見世だけにしていただきます。
サイレントホイール ドワーフ 約75g 約11.5cm 回転音の静かさに定評がある。注目モデル。
静かだ輪 P650 約75g 約14.0cm 選定機種の中では大きく軽い輪です。
輪の後ろ部分です。左からサイレントホイール ドワーフ、くるくるフラワーM MR-337、静かだ輪 P650。
やはりサイレントホイール ドワーフ(左)の小ささが目立ちます。
付属のスタンドに取り付けた、3モデル。左からサイレントホイール ドワーフ、くるくるフラワーM MR-337、静かだ輪 P650。
サイレントホイール ドワーフのスタンドにはケージに固定する吸盤(付属)の取り付け穴がある親切設計です。
付属のスタンドの後ろ部分です。3モデル。左からサイレントホイール ドワーフ、くるくるフラワーM MR-337、静かだ輪 P650。
静かだ輪 P650のスタンドが輪の大きさに比べて貧弱に見えます。
付属のスタンドの前の部分と、輪の固定ねじの形状の比較です。
3モデル。左からサイレントホイール ドワーフ、くるくるフラワーM MR-337、静かだ輪 P650。
サイレントホイール ドワーフの、名前の通りに静かに回るボールベアリング内装の回転部構成部品です。この回転部分は、
大型のサイレントホイール ゴールデンと同じ物なので、小さめの輪には不釣合いに頑丈にできているのも納得です。
輪の固定キャップの出っ張りがハムスターの背中に当たるという報告があります。
ジャンガリアンなど大き目のハムスターには困った問題です。
くるくるフラワー(S・M共通)の回転部分とブレーキ部分。
くるくるフラワー(S・M共通)の回転部分とブレーキ部分の構成部品です。隠れて見えませんが滑らかに回るベアリング部分と、
ブレーパッドの役割のリングは、とてもユニークな形をしています。
3機種を比較した中で、思わぬ実力を表したのが、静かだ輪 P650です。ベアリングを回転部に使用した他の機種のような重厚さはありませんが、逆に軽快な回転が、
ハムスターに優しい回転をしてくれます。
シンプルな回転軸と輪と止めねじ。
回転軸をスタンドに止める方法は他の機種と同じです。
ただし、スタンドの弱々しさは頼りない。
元気の良いハムスターが回したら、スタンドが動いてしまいます。
ただし、本推奨セットでは回し車の回転軸を衣装ケースに直接取り付けますので、付属のスタンドは使用しません。優れたところだけ使うと言うことです。
回転部の構成部品。白い軸に油を塗って摩擦を軽減している。
油にサラダオイルを指定しているのが面白いし、ハムスターへの配慮が窺えます。
回転軸と輪の軸のクローズアップ。シンプルな構造です。
2.安全性1(回りすぎ=慣性モーメントの問題)
回り過ぎて、ハムスターが飛ばされてしまう回し車があります。
また、 ハムスターが止まってもいつまでも回転が止まらない回し車があります。
ハムスターにとって、どれほど危険なのかは判断しにくいですが、高速で走っているハムスターにとっては、止まった時に回転も止まるのが理想です。人のランニングマシーンと同じことです。
そのためには、
高速で走るハムスターにとっては、
@車の直径が大きい方が、走りやすい(つまり大きいこと)。
と言うことと、
A車の重量が軽い方が止まりやすい。外周が軽い方が止まる効果が高い。
この二つの条件【大きくて軽いのが理想】を満たすことが、ハムスターの安全にとって、重要他と言うことが解ります。
早く回ると、車に勢いが付きます。勢いが付いた車が、いつまでもまわってしまうのは、それが、完成モーメントの力です。
このページで慣性モーメントなどという言葉を使うと、読んでもらえないのではないかと心配してしまいます。どうぞ読み飛ばしてください。
ハムスターにかかる重力の説明
サイレントホイール ドワーフを回しているハムスターを見ていると、ハムスターが振り落とされることがあります、
しかも高い位置からちょうど逆さまになって落下します。落下は危険です。
サイレントホイール ゴールデンにも、くるくるフラワーM MR-337にも、静かだ輪 P650にもこのような現象は見られません。
なぜ、サイレントホイールドワーフだけハムスターが落下するのでしょうか?
落下原因を分析してみたところ、以下のことが分かりました。
原因1.輪が小さい11.5p(内径最大部)
原因2.輪が重い75g
ハムスターが輪の中を走ったとき、走る速さが同じであれば、輪が小さい方が早く回ります。
ハムスターが走る速さは、人が普通に歩く速さ(時速約4km)よりはるかに早く走ります。瞬間的に時速7kmを大きく越えます。
(最高速度を正確に測る装置を作成して、ハムスターの最高速度を計測準備中です)
仮に時速4kmで輪の中を走ったとすると、サイレントホイール ドワーフの輪は一分間に185回転という高速回転をします。
しかも、サイレントホイール ドワーフの輪は約75g有りますので、回転時の慣性モーメントがとても大きいことになります。
≪回転数が同じ場合、重い方が止まりにくいです≫
つまり、重い輪が早く回転する条件が揃ってしまったことが原因と分かりました。
走っていたハムスターが止まると、ハムスターの方が軽いので、輪が止まらずに輪と一緒にハムスターも回転してしまいます。
すると強い遠心力がハムスターに働いてしまいます。
サイレントホイール ドワーフが185回転で回転しているとき、約2.2Gの加速度が生じます。
つまりハムスターは重力の2.2倍の力で輪に押し付けられた状態で回転していることになります。
この現象が、ハムスターが回ってしまう現象です。
では、ハムスターはなぜ止まるまでじっとしていないで、頂点に達した時に飛び降り落下するのでしょうか?
原因3.重力の足し算と引き算
原因4.たぶん、ハムスターは自分が回っていることに気づいていない=これは私の推測ですが・・・
ハムスターに回転による加速度が重力の約2.2倍掛かっていることは説明しましたが、
回っているハムスターに対して、私達にも等しく地球の重力がかかっています。これが1Gの下向きの力です。
ハムスターが下点を通過中には、回転による2.2Gプラス重力の1G=3.2G、つまり重力の3.2倍の力が働いていることになります。
40グラムのハムスターが128グラムになっています。きっと動けないのだと思います。
ハムスターが上点を通過中には、重力の1Gがちょうどハムスターに逆さまに働くことになりますから、
回転による2.2Gマイナス重力の1G=1.2Gになります。これは地面に立っているときとほぼ同じです。
ここから私の推測ですが、ハムスターは128グラムの体重から開放されたので、輪から降りようとします。
この時、自分が逆さまになっていることに気づいていないのだと思います。
この時のハムスターの動きは、普通に輪の外に足を踏み出しているように見えます。
頂点近くでこのことが起こりやすいので、飛ばされて逆さまに落下してしまいます。
およそ、ハムスターとは関係の無いお話でごめんなさい。お付き合いいただいてありがとうございました。
お断り:回転しているハムスターにかかるGは足元で2.2Gでも、背中の位置ではもっと少なくなります。ちなみに回転の中心では0になります。
したがって、体重×Gは正確な計算では有りません。試験の解答には用いないでください。
2.安全性2(隙間の問題)
サイレントホイール ドワーフの輪の隙間。
くるくるフラワーM MR-337の輪の隙間。二つのシリーズとも同じような隙間を設けてあります。足の指を挟むなどの不安を指摘する声もありますが、
ハムスターが走るときに接地する足の部分は、肉球なので、挟まって怪我をするような心配は無いと私は思います。
ただ、この隙間が何の役割を果たすのか、輪の中でオシッコをしてしまうハムスターのための隙間?でしょうか。
ハムスターの回し車の推奨品の推奨ポイント
テストは2008年に行っております。
回し車 |
静かさ |
最大内径 (p) |
安全性 回り過ぎ |
走りやすさ |
メンテナンス性 使いやすさ |
本飼育セットの場合の 推奨品 |
くるくるフラワーS | ◎ | 12.5 | ○ | △ | △※1 | ※2 |
くるくるフラワーM | ◎ | 14.0 | ○ | ○ | △※1 | ※2 |
サイレントホイール ドワーフ | ◎ | 11.5 | △ | △ | ○ | ※3 |
サイレントホイール ゴールデン | ◎ | 16.5 | ◎ | ◎ | ○※4 | ○※5 |
静かだ輪 | ◎ | 14.3 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎※6 |
特別項目
1.ハムスターのケージ
2.ハムスターのケージの説明
3.図で見るハムスターゲージの説明
4.ハムスターを飼育するときの費用
5.ハムスターの気持
6.ハムスターの回し車の研究
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