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ハムスターの遺伝

≪研究報告≫
   


  ハムスターの遺伝

 子供同士・孫同士の結婚は病気になりやすい体質を受け継いだ子が生まれる確率が高くなります。

 ハムスターの子育てを考えている方の、ハムスターの健康管理にとって、とても大切なことなので、ここに要点をまとめました。

≪禁止の範囲≫

 [子]どうしはもちろん、その子[いとこ]どうし、つまり[親]から見て[孫]までの血縁関係の結婚は禁止。
を提案しています。 (人の場合、3親等内の結婚は法律で禁止されています)



≪その理由は遺伝による病気です≫

 遺伝子は対になっていて一つは父親から、もう一つは母親から受け継ぎます。
両親から同一の遺伝子をもらった場合にだけ、現れる形質を【劣性の遺伝子】といいます。
【劣性の遺伝子】の中には病気になりやすい性質の遺伝子も含まれます。

例えば父親が【腫瘍が出来やすい体質の遺伝子】を持っていたとすれば、
それを引き継ぐ子と引き継がない子が一定の確率で産まれます。
しかし、安心です。引き継いでも子も父親も発病しません。
両親の一方だけが持っている遺伝子をもらっても、発病しないのは、それが劣性遺伝子だからです。
つまり母親がこの【劣性の遺伝子】を持っていなければ、子は発病することはありません。

では、【劣性の遺伝子】を引き継いだ子同士(血縁関係がある)から生まれた子供はどうなるでしょうか?
同一の【劣勢の遺伝子】をもらう子(孫)が一定の確率で産まれます。
この孫は【腫瘍が出来やすい体質】になります。

≪確率≫

●血縁関係がない両親から生まれる子は、父親と母親から同じ【劣勢の遺伝子】をもらうのは偶然ですので確率は低いです。

●子供同士・孫同士のように血縁関係の近い両親から生まれる子が【劣勢の遺伝子】をもらう確率は一定です。

この確立に関心のある方は、メンデルの法則を調べてください。

≪劣勢の遺伝子による病弱を防ぐ、自然界の巧みなシステム≫

 自然界では、【劣性の遺伝子】を持った同士の結婚を避けるシステムがとても巧みに機能しています。
ライオンやサルやトドなどの雌が他所の強い雄(=血縁が遠い)を受け入れるシーンは良く知られています。
ハムスターも巣立てば両親や兄弟から遠くはなれて生活し、
血縁のない相手を探し、
厳しい自然界を生き抜く逞しい子を産んでいるのだと推測します。



≪絶滅危惧種と劣勢の遺伝子≫

 絶滅が心配される動物について、
元気な母親と父親が一組いれば、その子供たちが増えるので大丈夫、、、?
と考えがちですが、前述のように、血縁が近い者同士が結婚することになるので、弱い固体が増えてしまい、結局絶滅してしまうそうです。
絶滅を避けるために必要な両親の数は、数百から千組などと言われるのは、【劣性の遺伝子】の問題があるからとのことです。


文責
 『地下型の巣箱』入澤二郎は、動物学者でも獣医でもありません。この文章に誤りがあった場合は、私の知識不足によるものです。
その際は、専門家の方ご教示をいただけたら幸いです。


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