§6.従来の【ハムスターの家】についての問題点の検証
以下は、従来の【ハムスターの家】についての問題点の検証です。
現状否定の内容が含まれていますので、
関心をお持ちの方だけお読み頂きたく、お願い申しあげます。
従来の【ハムスターの家】について考える。
●従来から【ハムスターの家】と言われているモノは、
ハムスターにとっては、
単なる身を隠す役割しか果たしていない
ということが分りました。
●しかも、入り口の寸法が大きく、
身を隠すことすら難しいのです。
入口に巣材などを積み上げて体を隠すハムスターも中にはいます。
●さらに、分ったことは、ハムスターはこの中でどうやら
安眠・熟睡していないということです。
【ハムスターの家】の中で良く寝ているように見えるのは、警戒しながらも、
ストレス下で疲れ果てて、ウトウトと寝ているのであって、
家の中の寝室の自分の寝床で安眠・熟睡するのとは全く違います。
人間だって、自分の家の寝室で寝ることができない日が何日も続いたら、体調を壊してしまいます。
まして、毎日毎日それも一生、警戒しながら、外から見える場所で、敵に見つかることを心配しながら寝なければならないハムスターが、そのストレスで
健康を損なってしまうのは、容易に想像がつきます。
人間と同じように、いや、人間以上に、健康を保つためには安眠・熟睡が絶対に必要なことはわかっています。
[実験検証]
ハムスターが安眠・熟睡できる寝床を渇望していることは、従来の【ハムスターの家】と
『ストレス診断用巣箱』の二つを与えると、
実に全てのハムスターが『ストレス診断用巣箱』の方を選ぶ事から証明できます。
ではなぜ≪今まで、30年もの間【間違ったハムスターの家】の改良が行われなかったのでしょうか?≫
ハムスターが家と思わない形状のモノ、明らかに自然界の家とはかけ離れた形のモノが【ハムスターの家】
になってしまった経緯は何だったのでしょうか?
しかも、使われ始めて30年もの間、なぜ改良されなかったのでしょうか?
ハムスターに合わない間違った家で飼い続けることで、多くの飼い主達が、「ハムスターは病気になりやすい、か弱い動物だ!!」
と誤解するようになってしまいました。
従来の【ハムスターの家】を使って飼育するのがハムスターの正しい飼い方となってしまったのには、
必ず何かしらの理由があるはずです。
いつ?誰が?
『【ハムスターの家】はこういう形だ!!』と決めてしまったのでしょうか?
いったい、いつどこで間違ってしまったのでしょうか?
このような、形や、飼育方法が延々と30年以上も伝承されてきたわけですが、
そろそろ、ハムスターたちの
『この家はちがうヨ!!』
という叫びを聞いてあげなければ可愛そうです。
このことを問題提起したところ、
以下のような【実験動物説】情報を頂きました。
お断り:
ここでは実験動物とペットでは飼育の目的と方法が『異なる』
ということに着目しているのであって、実験動物の意義を論じる場ではありません。
【 実験動物説の真相 】
頂いた【実験動物説】は、『今一般に行われているハムスターの飼い方の原型は、
ハムスターの実験動物時代の飼い方を参考にしたものらしい』というものです。
もしやと思っていた私としては、思い当たる情報でした。
【実験動物説】から得た推論は以下の通りです、
(1)
1960年代の後半になるのでしょうか、ハムスターは、もともと実験動物として輸入された。
(2)
そのかわいらしさから、ペットとして家庭で飼われるようになった。
(3)
そのとき、【ハムスターの家】として唯一参考になったのが、実験動物として使っていたリス・鳥用の巣箱であり、
これが【ハムスターの家】の原型になってしまった。
という推論です。
1960年代当時、専門家以外には『ねずみの仲間』程度にしか知られていなかった
未知の動物であったハムスターの飼い方が、唯一飼育されていた実験動物の飼い方に習ったことは、
仕方のない成り行きだったことでしょう。
また、後日、ハムスターの専門医として著名な獣医さんから、
『経緯はわかりませんが、ハムスタ-が飼われ始めたころはハムスタ-用のケ-ジはなく、
リスや鳥のものを代用して飼育していました。』
との情報をお寄せいただきました。
以上のことから、【リス・鳥用の巣】の形が【ハムスターの家】になってしまった経緯か推測できました。
しかし、いまでは、ハムスターの生態が明らかになって、
ハムスターがどんな【家=巣】で生活をしている動物かを誰もが
よく知っているというのに、
どうして、
ハムスターだけが
ハムスターの家の形と飼育方法だけが改善されないのでしょうか?大いに疑問です。可愛そうです。
その理由を推測すると、
(1)
『昔の飼い方』の道具と方法が、間違えたまま『聞き伝え』によって伝わり、それが飼育書やホームページで、
急速に広まり定着してしまった。
(2)
メーカーの飼育用品もこの『昔の飼い方』に沿って、【ハムスターの家】を開発し販売した。
(3)
新たにハムスターを飼う人たちも、
これら(1)(2)に倣って、最良の方法と思って飼育している。
(4)
動物学者・獣医などの専門家による『正しい飼い方』の研究がなかった、
≪そして、もう一つの改善されない大きな理由≫
(5)
それは、ハムスターにハムスター本来の巣穴型の家を与えてしまうと、
人が起きているときには巣穴に隠れているので、
ペットとして観て楽しむことができない。という人の都合があった可能性も否定できません。
だから、飼う人にとっては、隠れてしまう巣穴型の家は無いほうが都合が良い。と言う理由です。
こういう理由も、飼い方の改善が疎かになった理由の一つだと推測します。
確かに、人が寝ているときにしか活動しないペットなんて、楽しくありません。
しかし、だからと言って、人の都合で、まともな生活ができない、命に関わる飼われ方をされるのは、
ハムスターにとって迷惑です。
という五つの主な理由で、『昔の飼い方』の道具と方法が、今日まで改善の機会を逸したまま
『伝承』されつづけて広まり、定着したのだ、と思われます。
≪様々な改善の試み≫
しかしこれまで、ハムスターの習性を配慮した改良巣箱を企画したメーカーもあり、販売したメーカーもあります。
ハムスターの習性に合わせた飼育方法を実際に試みた方、
試みている方が沢山いらっしゃるはずですが、
『昔の飼い方』の流れを変えるような結果を出すには至りませんでした。
以上のことから。
リス・小鳥の巣でも飼えるじゃないか、、が、、【ハムスターの家】になってしまったという、
【ハムスターの家】の形状の疑問が解けます。
間違った家で一生を過ごさなければならないハムスターのストレスはとても大きいハズです。
ストレスで体調を壊すのは人だけではありません。
ストレスは小さなハムスターを病気にし、時には死に至らすこともあります。
私が『地下型の巣箱』を開発したのは、ペットのハムスターに病気が多いことを知ったのがきっかけでした。
『地下型の巣箱』で生活する私のハムスター達は活き活きと健康になりました。
そして、思いもかけなかったことが起きました、
それは、
『地下型の巣箱』で生活するハムスターが人にとても良く馴れるようになったことです。
ストレスが無くなって、心に余裕ができたハムスターは、賢さと本来持っている好奇心から、
飼い主にコミュニケーションを求めることがわかりました。
そして『地下型の巣箱』をきっかけに、
楽しくコミュニケーションが取れるハムスターとのすばらしい世界が始まりました。