ハムスターのストレスについて研究報告

ハムスターのストレス

ハムスターのストレス
ここでは、ストレス状態にいるハムスターの異常行動の見分け方と、原因となっているのハムスターの4大ストレスについて述べます。
  1. §1.ストレスの症状
  2. §2.ストレスの原因
  3. §3.ハムスターのストレス行動と健康管理
  4. §4.血が出るほど噛みつく・他

§1.ストレスの症状

行動から判断する

●金属の格子を一心に齧り続ける行動。
●天井の格子にぶら下がる雲梯行動。
●側面を何度もよじ登ろうとする行動。
●血が出るほど噛みつく

これらの行動は強いストレス症状の行動です。
ストレスのないハムスターには決して診られない行動です。

表情から判断する

飼育に慣れた方なら、良く観察すると表情を読み取ることが出来るようになります。
ハムスターの顔の表情からもストレス診断ができます。
下記の動画のハムスターで説明します。
ストレスが無いハムスターの表情の例
(クリックして、上か下の片隅に出るアイコンをクリックしてご覧ください)

●耳の形で分かります
耳が3の字にしわになっていますが、飼い主を信頼してリラックスしているハムスターの耳はこのような形をしていることが多いです。
大きく丸く展開していれば、緊張警戒している証です。

●髭の形で分かります
ひげが全体に大きく展開していれば緊張状態であることが解ります。

●目が飛び出ているので分かります
ハムスターの眼窩は犬の眼窩のように深みがあり、わずかですが飛び出たり引っ込んだりします。
リラックスしている時よりも緊張している時の方が飛び出ているので分かります。

リラックスしている時には緊張して緊張して飼育ケースから【外に出たい】というハムスターの行動で、噛みつくようになれば、ストレスの重症化が考えられます。

無駄な行動を一心に続けているなら、脱出したいのに出られない、何度やっても出られないことから日に日にストレスが鬱積している可能性があります。

知っておくと良いその他の緊張行動

●「嫌です!!」のサイン
手をヨコに払うようなしぐさが見られれば「嫌です!!」のサインです。

●ウンコ1個
手にのせたり、掴もうとした時に、そこにウンコが一個残っていることがありますが、
これも「嫌です!!」のサインです。


【飼育環境をハムスターが受け入れていない】
 飼育ケースの中の環境では安心して生活することが出来ないとハムスターが判断して、そこから脱出しようとして脱出できないことによる繰り返しの行動です。

対処法法


 ケース内の環境を改善してあげます。
『地下型の巣箱』方式では、ケースの床に巣穴を開けてあげてその下にハムスターが自分の家にする『地下型の巣箱』を設けてあげることで解決してあげます。
自分の家があるので、脱出する必要が無くなり、確かな改善効果があります。

【なお、♂♀2匹飼いをしている場合にも脱出行動が見られます】

 雌の発情期にだけ発生する興奮行動です。
雌の発情期に何としても雌のところに行こうとする雄の行動です。出られないはずの飼育ケースからいつの間にか外に出ていた、などという言う場合があります。雌側にも見られる場合があります。

≪この場合の対処方法≫

 (交尾をさせる場合は、ケースから出してあげます)
【基本】母ハムスターの出産が目的でない場合は、2匹飼いはしないことです。
ハムスターは広い縄張りに一匹だけで生活する動物です。
既に2匹飼いをしている場合には、2匹飼いによるストレスを防止するために、飼育ケースを置く部屋を分けてあげるとストレス軽減になります。
≪なお2匹飼いのストレス行動については2匹飼いの弊害で詳しくご案内しています。≫



ストレスのないハムスターは回し車をあまり使わないことから、回し車を全速力で回す行動は、ストレスによる行動だという仮説を持っています。

§2.ストレスの原因

安眠・熟睡できないストレス

自然界のハムスターは地下の巣穴の中で安眠・熟睡します。
敵に襲われる心配のない寝床で安眠・熟睡することで、緊張によるストレスを解消します。
敵から見える場所、あるいは敵に襲われる危険があるような場所では、警戒し緊張しながら寝なければなりません。
安眠・熟睡できないストレスが蓄積します。

寝床で寝無ければならないストレスはれば、
場所で寝無ければならないストレスるから解放されて、1家がないストレス   巣材が無いストレス 2食べ物が無いストレス 3脅威を感じるストレス   飼い主に起因するストレス ケースの中に足りないものが有るストレス 4温度のストレス 補足 2匹飼いのストレス ストレスによる異常行動  初めてハムスターを飼育する方にとっては、ハムスターの行動のどれがストレス行動なのか?経験がないので、判断が出来ないのは無理もないことです。

環境エンリッチメントの考え方で判断すると分かりやすい

 ハムスターの望ましい飼育環境については環境エンリッチメントという学問がありますが、この考え方で判断するととても分かりやすいです。

 まず≪自然界だったらどうだろうか?≫を考えて見ましょう。
前述のような、柵を齧り続けるとか、雲梯行動とか、側面のよじ登り行動などは自然界では起こりえない行動ですので、どなたにも、不自然で、異常な、ストレス行動であると判断していただけます。



§3.ハムスターのストレス行動と健康管理

 ハムスターにストレス行動が見られたら、必ずその原因がありますので、その原因を取り除いてあげることが大切です。
ストレスがハムスターの健康を蝕むのは、人がストレスで健康を損なうのと同じで、ストレスによっては病気になったり時には生命の危険の原因になる場合もあります。
 詳しくはハムスターのストレスをご覧ください。



§4.血が出るほど噛みつく・他

●血が出るほどに噛む
 ストレスに晒されているハムスターの典型的な行動です。飼い主も辛いですが、ハムスターはもっともっと辛い思いをしています。噛まないハムスターの育て方を参考にして、早急に対処してあげてください。

●『地下型の巣箱』でバリケードをつくる
 せっかく『地下型の巣箱』をあげたのに、バリケードをつくってしまった。
バリケードを作ったを参考にして、面倒なバリケードなど作らなくて済む環境を作ってあげましょう。